食中毒とは?
食中毒とは、細菌やウイルス、寄生虫、化学物質などの有害な微生物や物質が食品を介して体内に取り込まれることによって引き起こされる健康障害のことです。
食中毒の症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが一般的で、場合によっては重篤な合併症を引き起こすこともあります。
特に高齢者、乳幼児、妊婦、免疫力が低下している人々は、食中毒のリスクが高いため、注意が必要です。
食中毒はどのくらい起きているのか
日本においても食中毒は毎年多数発生しており、厚生労働省のデータによれば、年間数千件の報告がなされています。
これにより、数万人が影響を受けていると推定されています。
特に夏場や梅雨の時期は高温多湿の環境が細菌の繁殖を助長するため、食中毒の発生件数が増加します。
主な原因物質とその特徴
食中毒を引き起こす原因物質はさまざまで、大きく分けると以下のような種類があります。
細菌性食中毒
サルモネラ菌
鶏肉や卵、生の肉類が主な感染源。感染後6~72時間で症状が現れ、発熱、腹痛、下痢を引き起こす。
腸炎ビブリオ
海産物が主な感染源。夏季に多発し、感染後8~24時間で激しい腹痛と水様性下痢を引き起こす。
カンピロバクター
鶏肉が主な感染源。感染後2~5日で発症し、発熱、腹痛、血便を伴う下痢が特徴。
大腸菌(O157など)
汚染された牛肉や野菜が主な感染源。感染後3~8日で血便、腹痛を引き起こし、重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することも。
黄色ブドウ球菌
手指の傷や化膿部位から食品に汚染。毒素が原因で、摂取後数時間以内に激しい嘔吐を引き起こす。
ウイルス性食中毒
ノロウイルス
汚染された食品や水、感染者との接触が原因。感染後24~48時間で嘔吐、下痢、腹痛を引き起こし、特に冬季に多発。
ロタウイルス
乳幼児に多く見られ、汚染された水や食物から感染。感染後1~3日で嘔吐、下痢、発熱を引き起こす。
寄生虫性食中毒
アニサキス
生魚(特にサバ、イカ、サーモン)に寄生。摂取後数時間から数日で激しい腹痛を引き起こす。
クリプトスポリジウム
汚染された水や食品から感染。感染後2~10日で水様性下痢、腹痛、発熱を引き起こす。
化学物質による食中毒
農薬
残留農薬が原因で、嘔吐、下痢、頭痛、めまいを引き起こす。
重金属(鉛、カドミウムなど)
鉛、カドミウムなどが蓄積すると、慢性的な健康障害(腎臓、肝臓の障害)を引き起こす。
食品を取扱う際の注意点
衛生管理の徹底
手洗いや調理器具の消毒を徹底する。
適切な温度管理
冷蔵庫・冷凍庫の適切な温度維持、加熱調理を確実に行う。
交差汚染の防止
生食と調理済み食品を分けて扱う。
まとめ
食中毒の原因と特徴を知り、対策を取ることで食中毒を防ぎましょう。
コメント